本場の製造技術を学ぶため、ドイツの醸造専門学の門を叩いたのは数十年前。ミュンヘンに到着し、初めて飲んだ、震えるようなビールの旨さを今でもはっきりと覚えています。飲んだ瞬間に感じたつくり手の”想い”。 僕らも、このように想いが伝わるビールづくりにこだわり続けてきました。 ”何杯でも飽きずに飲めるビール”これが僕たちが目指すジャーマンスタイルです。
それほど安くはないビールを飲んでいただくわけですから、 その一杯を楽しみに一生懸命働くお客様が、笑顔でおかわりしていただける姿を原動力に… 時代とともに変わるお客様のニーズに合わせながら、こだわりのビールをお届けしています。
富士桜高原麦酒 製造長 宮下 天通
1つ1つの工程が、高度な職人技をもつ醸造士によって、 丁寧かつ繊細な手作業によって生まれます。
ビール造りは込み釜に粉砕した麦芽(モルト)とお湯を入れ加熱し、醗酵に必要な糖度を伴った麦汁をつくりことから始まります。ビールによって必要な糖度は異なり、それに合わせて粉砕の大きさ、温度調整が必要です。
その日の気候や材料の変化にも対応するのは、まさに職人技。
麦汁から固形物を除去するためにろ過を行ったあとは、ホップを加えて煮沸します。ここは、ビールの風味となる苦味や香りといったものがつくられる要の工程。 無限にあるモルトとホップの組み合わせを考え抜き、味を保ち、時には進化させ、”想い”が伝わるビールは創造されるのです。
ホップも加わった麦汁は、酵母が活動しやすい温度まで冷却後、酵母を添加。その働きによって糖分がアルコールと炭酸に変わり発酵していきます。若ビール誕生の瞬間です。
人工的に炭酸を加えず、発酵中に生まれた自然な炭酸(ナチュラルカーボネーション)のビールは、きめ細かくクリーミーな泡立ちで私たちをたのしませてくれます。
酵母は生き物なので、環境が変わるといろいろな変化があります。それは良い変化もあれば、悪い変化の時も。 富士桜高原麦酒の酵母は、発酵タンクの上蓋を開けるオープンタンクで製造。開けておくことで、外部との接触があるため雑菌などによる影響を受けやすくなり気遣う時間は増えますが、醗酵の状態を見て、匂いをかいでその変化を確認することができるのです。
そしてもう1つメリットが。酵母を回収できるということ。通常1仕込みにつき1回限りの酵母の使用となるわけですが、富士桜高原麦酒の酵母は、2回目、3回目と酵母を連続して使います。これは決して使い回しをしているというわけではありません。連続して使うことで、富士山の水に慣らせた酵母を利用することができます。
これがおいしいビールの秘訣。酵母を育てて利用する。私たちの秘密の技を1つお伝えいたします。
主な発酵を終えたビールは低温で貯蔵されます。この段階でも発酵は進んでおり(2次発酵)、香りや味をまろやかにするとともに炭酸ガスも引き続きビールに自然添加され、より一層熟成された完成度の高いビールとなっていきます。
出来上がったビールは製品タンクで保存。完成後は、煮沸や濾過を一切行わないので、新鮮な酵母の香りや味わいをそのまま愉しめます。製品タンクからそのまま瓶詰めし、考えうる限り最高の鮮度とコンディションでビールをブルワリーから直送するのが当ブルワリーのモットー。ご注文に従って製品を梱包し、お客さまの元へ発送致します。
もっと旨いビールを作りたい、ビール片手に楽しむ人達の笑顔がみたい その笑顔に出会うために、日々思いを込めて仕込みます。