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クラフトビールについて思うこと

自分のところのビールを改めて味わいながら見つめなおす。なんか難しいこと言ってますが、富士桜高原麦酒をお取り扱いいただいているお店さんで飲むということです。

今までも何度もやってきていることですが、普段飲んでいるビールの違った側面が見えたりすることに気づかされたりすることがあります。いつもと違う場所、お店の雰囲気、グラスの形状、注ぎ方、飲む時間・・・などなど「いつもと違う」を感じさせてくれる要因はたくさんあります。「このビールはこういう味だ」と思っていたところに「いやいやそれだけじゃないよ!」というプラスアルファの顔、そして面白いのが今まで思っていたのとまったく違う顔で味合わせてくれることも。違う顔だからと言って味を損ねているわけではないですし、一口味わうごとに自分の思っていた「元の顔はどこだ?」と探すのもまた面白い。

基本ビールは難しい顔して飲むお酒ではないと思っているのですが、たまにはこういう飲み方もアリかな?とお店のカウンターで一人飲みながら考えているのでありました。

このコーナーでは富士桜高原麦酒のこと、業界の話題などについて少し深く掘り下げて書いていこうと思っています。

ルーツを探る

ビールのお店のイメージ

「ビールはビール(ビールという1種類の飲み物)」から「ビールにはいろいろある」という認識を持っていただける方が本当に増えてきたとビールを販売していて感じます。特にビールに特別な知識のないお客様の中でも そういう話はどこかで聞いたことがあるように思えます。

ビールの種類が増えてきますと、いろいろと飲んでみたくなりますね。だんだんと飲み広めていくと好きなスタイルのビールというのがだんだん自分にもわかってきます。

そうすると飲むのが面白くなるんですよね。スタイルだけではなく、好きなメーカーもあるでしょう。この辺は車と似ているかもしれません。スポーツカーというカテゴリーの車が好きな人もいれば、ずっと1つのメーカーの車を乗り続けていく人もいますし、人によってはどんなに古くなってもそれを修理して乗り続けていく人もいます。

話を戻します・・・(私、車好きなものでスミマセン)

ビールを飲んでいますといろいろな方向に深く追及したくなることもあったりします。それは「どうやって作られているのか?」とか、「このビールのスタイルのルーツはどのビールだ?」とか。

今日のテーマは「ルーツを探る」ですがビールのルーツではなく、お店のルーツ。今、日本にはたくさんのクラフトビールを飲めるお店があります。すでにその魅力を知り、お休みに出かけて行ったり、会社の帰りに寄って1杯やって帰ったりしている方も大勢いらっしゃいます。

そんなビールのお店にも「ルーツ」が存在するお店が結構あります。お店を気に入り、お店の方とお話してみますと「●●ってお店にいたんです」と話してくださる方もいます。いわゆる「修業したお店」なわけですが、これが師匠から弟子へその熱い思いを伝承してきているといいますか、進化させているちいますか、「流れ」を感じさせてくれるお店があります。

自分が気に入ったお店の師匠のお店。ちょっと行ってみたい気持ちになりませんか?師匠に当時の弟子の様子をうかがって「弱みを握る」ってのも悪くないですね!(冗談)そうやってお気に入りのお店が増えて、出かけた先で一番近いおいしいビールを出してくれるお店があるのは本当に楽しいことになると思っています。

お気に入りのお店のルーツ、ちょっと探ってみませんか?

酵母を育てる

酵母を育てるイメージ

富士桜高原麦酒の発酵タンクはタンクの上蓋が開くオープンタンクといわれる種類のものを使っています。メリットは発酵の状態を目で見て、時には鼻で匂いをかいで発酵の状態を確認できること。そして発酵の際に発生する「灰汁」をすくってきれいにできること。デメリットは開くことで外部との接触があるため雑菌などによる影響を受けやすいこと。幸い発酵タンク4基は醸造所の中でも一番奥に配置され、尚且つ扉で仕切られた別室になっているため今まで被害はありません。

メリットの話に戻りますが、実はもう一つあります。それは酵母を回収できること。酵母は生き物なので、環境が変わるといろいろな変化があります。

それは良い変化もあれば、悪い変化の時も。人も同じですが、例えば転職して職場が変わって出勤初日に成果が出せるか?と言われればそれはちょっと難しいだろうと想像できます。酵母も同じで、専門機関から持ってきた酵母もその環境に慣れること。ビールの良し悪しに関係があると考えています。

酵母にとっての環境とは「水」になれることで、富士桜高原麦酒の場合、ここ富士山の水に慣れてもらうことが良い香りのおいしいビールになる理由の一つです。そのため通常1仕込みにつき1回限りの酵母の使用となるわけですがオープン発酵タンクを活用して元気に発酵している酵母を回収し2回目、3回目と酵母を連続して使います。

これは酵母を使いまわすということではなく、水に慣らせて酵母を育てる感覚です。水に慣れた酵母はビールを作るうえでとても大切な仕事の一つ「発酵」をきちんと成し遂げてくれます。

この酵母の回収し繰り返し使う「酵母を育てる」は「ヴァイツェン」の系統のビールで行われております。富士桜高原麦酒のヴァイツェンにはそんな工程が隠されています。クラフトビールは同じ種類のビールでも作る醸造所によって少しずつ秘密が隠されているように思います。その秘密を知って飲むとまた違った味わいが感じられるかもしれませんね。

富士桜高原麦酒のレギュラービールの種類

4種類のビールのイメージ

富士桜高原麦酒のレギュラービールは全部で4種類。

クラフトビールに馴染みのないお客様でもストレートに受け入れられる「ピルス(黄色いラベル)」
南ドイツで良く飲まれている小麦のビール「ヴァイツェン(赤いラベル)」
4番目にレギュラービールに加わった黒いヴァイツェン「シュヴァルツヴァイツェン(黒いラベル)」
そして今回取り上げるスモークビール「ラオホ(紫のラベル)」。

このラオホというビール。非常に、いやかなり特徴的なビールで好き嫌いははっきり分かれると言ってもイイでしょう。原料となる「麦(モルト)」を燻製してあるため、その麦(モルト)を使うと燻製の香りが付いたスモーキーなビールが出来上がるというもの。

ドイツ本国でも限られた地方でしか作られていない、言ってみればなかなか珍しいビール。それを19年前に「今からビールを造りますよ!」っていう誰も知らない日本のビールメーカーがレギュラービールにしようというのですから、当時としては(今もかもしれませんが)かなりチャレンジャーだったと思います。ちょっと聞いた話ではラオホ自体のビールの色、製法などから「男性が飲むビール」というイメージがあるらしいんです、ラオホには。

でも、実際にビールを販売していて思うのは「ラオホは男性のお客様が多いのか??」ということ。店頭やイベントでの販売、ネットショップでの販売から見ていますと、実は女性のお客様の方が多いのではないかと思うのです。もうすこし長い時間かけて「実際どうなのか?」を明らかにしてみたいです。

今回の最後に、あるラオホファンの女性のお客様のお話です。このお客様がラオホを飲む時のおつまみは、なんと!「氷水」。ラオホを飲んだ後に少しだけ冷たい水を飲んだ時に口の中が「きゅっ」とするのが良いんだそうです。

ラオホは食事には相性がいいビールなんですが、水がおつまみとは初めて聞きました。最初は「え???」って感じでしたが、その方のビールの楽しみ方がちょっと羨ましく感じてきている今日この頃です。

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